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天上天下唯我独尊

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2021.02.27

正縁寺には沢山の椿の木があり、満開の時期を迎えています。元々は原種の椿が何本かあったのですが住職が椿が好きで気がつけば境内のあちらこちらに増えています。花が咲いた後実が出来、それがこぼれて増えていくのですが不思議なことに同じ木からこぼれた物でも咲いた花はそれぞれに違いがあります。日当たり、土、周りの環境によって違ってくるのか何種類かが合わされて違う花を咲かすのかあれこれ考えますが解らず、ただどの花も私たちの目を楽しませてくれます。
人間も同じ様です。同じ親から生まれ育った兄妹でも顔も性格もそれぞれに違い、やがてそれぞれに価値観を持つ様になります。
普段私たちは煩悩に支配されている自我に基づいて行動しています。「お金や地位を得れば幸せ」「自分の思いどうりになることが幸せ」「自分の意見に反対する人を排除すれば心は平穏になる」などの価値観は煩悩にもとづくもので世間では当たり前とされています。けれどもお釈迦様は煩悩に支配されて行動することを間違いであると判断し、煩悩を滅し本来の自己に基づいて行動されておりました。お釈迦様と同じ様には行動できませんが偏見や囚われを超えた仏教の価値観は現実社会の中で私たちが上手く生きていくための味方となってくれているのではないでしょうか。

お釈迦様はお生まれになった時に「天上天下唯我独尊」とおっしゃいました。「人は誰でも唯一無二の存在」という意味です。正縁寺永代供養墓の正面にはこの言葉を刻んでいます。一つ一つ大切な命、人も花も同じ生き物、置かれた場所で咲く椿の花の様にそれぞれの個性で輝いて他人を幸せにしたいものです。

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