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二龍王

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2021.06.03

お寺の本堂には四天王が祀られていますが、浄土宗のお寺だけに祀られているのが二龍王です。

龍王については浄土宗大辞典の中で下記の様に記されています。
念仏弘通を守護する竜神。幡随意が教化したという竜王の戒名。『幡随意上人諸国行化伝』一には、天正一〇年(一五八二)に館林善導寺で竜女(王誉妙龍)を化益し、また高田善導寺(新潟県上越市寺町)で龍誉高天を化度したことを記している。幡随意が高田善導寺にいたある夜に老翁が現れた。館林の躑躅つつじカ池に住んでいたが、妻の妙龍が往生した後に池を竜子に譲り、青柳の池(上越市清里区青柳の坊ヶ池)に住んでいる竜神であると名乗り化導を求めた。幡随意は血脈(けちみゃく)と十念を授け、龍誉高天は往生した。高天は菩薩の姿になって、妻の妙龍と共に浄土宗を守護し、妙龍は清水を吐いて火災を、高天は洪水を防いで水難を救うことを約束した。

難しいので少し解りやすく説明すると浄土宗百万遍知恩寺三十三世幡随意(ばんずいい)上人と龍の夫婦のお話です。上人のもとにまず青柳池の龍神の奥さんの龍が苦しみの世界から喜びの世界への道を捜しに現れ、阿弥陀さまの教えで「戒」を授け、仏さまの弟子になられました。旦那さんの龍も奥さんが往生された後、仏さまの弟子になられました。旦那さんの龍を「龍誉高天」と言い、奥さんの龍を「王誉妙龍」と言います。ある日極楽浄土へと往生し、菩薩様となった夫婦が現れ、浄土宗やお寺を火災や水難などから守っていきますと言って去って行かれたそうです。

このことから浄土宗のお寺の本堂には二龍王が祀られています。

正縁寺の四天王、二龍王の額に刻まれている書体は昭和58年の本堂改修の折に、後の浄土宗大本山百万遍知恩寺第74世法主、服部法丸上人にお願いして書いて頂いたものです。
今は亡き父が遺してくれた四天王と二龍王に護られています。

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